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2021.10.16

融資のときに銀行がみる決算書ポイント その2

今回も融資を申し込む際に融資側がポイントとする決算書の内容をご説明させていただきます。

前回では「決算書」の説明と「貸借対照表」の説明を途中までしました。

貸借対照表の勘定科目を融資側が確認するポイントをご紹介いたします。

融資を申し込む時点で決算書が債務超過でない場合でも、融資側で厳しく確認をされた結果、債務超過と判断されることがございます。

こちらの章をご覧いただく場合には「融資のときに銀行がみる決算書ポイント その1」から読み進めていただければと思います。

 

 

 

〔実質、財産性がないもの〕

 貸借対照表上の資産に実質財産として見られないものがあります。

 実質的に財産性がないものと判断して財務状況を確認されると決算書上は債務超過の状態でないのに実質は債務超過であると判断されることがあります。

 下記に勘定科目を上げてご説明をさせていただきます。

 (現金、棚卸資産は前回にご説明しておりますので、そちらをご覧ください。)

 

 ・売掛金

  売掛金とは商品などを売り上げてお客様から後日にお金を入金されるまでのツケが確認できる勘定科目です。

  卸売業、小売業、製造業では商品や製品を販売し、その売り上げが入金されるまでの期間(締め日と入金日)にこの勘定科目が発生します。

 

  例えば下記のとおりです。(締め日:毎月20日/入金日:毎月翌月末日)

   4月15日 A商品をB社へ 100万円 売上

   4月20日 B社へ3月21日~4月20日までの請求書発行

   5月31日 B社より 100万円 入金

  この場合、会計(決算書)上では4月21日~5月30日(入金日前日)までの期間は売掛金100万円が計上されることになります。

 

 ここまでをご理解いただきまして、融資側では売掛金が決算書上いくら残っていてその内訳と入金(回収)されるまでの期間を注視します。

 

 先ほど例では、2か月以上の売上金額が売掛金として残っている場合には融資側では不自然に思います。

 この場合に、融資側では「入金(回収)の見込みがない売掛金」「売り上げの架空計上(粉飾にあたります)」があるのではと疑います。

 このように判断をされてしまいますと、いくら売掛金が多く残っていても財産性がないものとして見られます。

 

 これ以外にも、融資側では過去の決算書を基に売掛金の内訳内容を確認します。

 例えば、下記の視点で決算書上の売掛金を確認します。

 

 ・前期と当期で残高に変動がない取引先の売掛金がある場合

  融資側では回収がされていないため、回収の見込みがないか架空の売り上げだったのでは?と疑います。

 

 ・決算書上の売掛金の内訳に「その他」として、多額の残高がある場合

  売掛金の内訳書には取引相手ごとに残高が50万円未満でしたら一括して「その他」として記載することができます。

  ただし、ご自身の会社の取引規模でメインの取引先以上に「その他」の残高が大きくなりすぎていると融資側ではこれも架空の売り上げでは?と疑います。

 

 対策として、売掛金の残高が多い場合には、融資側へしっかり説明ができるように準備しておくことが必要です。

 売掛金が多く計上されてしまう事例としては、「取引先が入金するのが遅れた。」「入金日が日曜日や祝日により計上が1日ずれたため。」「繁忙期や決算月などでその月だけ売掛金が多くなってしまう。」などです。

 

 また、融資側では内訳書に載っている取引先を金額の大きい(重要と判断した)ところから帝国データバンクなどの信用調査会社を使って会社の情報を調べます。

 この調査によって、売掛金の回収リスクはどれくらいあるか?取引実態がしっかりあるのか?過去の信用履歴はどうなっているか?を確認しています。

 

 

 ・貸付金、立替金(仮払金)

  融資側では決算書上に貸付金がある場合には、注意して確認してきます。

  理由は資金が不足していて融資を受けたいにもかかわらず、お金を誰かに貸し付けているのは融資側にとっては不自然な状況のためです。簡単に言うと「他人にお金を貸しているのに自分のお金が不足している。」です。本来であれば経営をする上であり得ない状況です。

  しかし、こういったことはよくあります。

例えば、法人成りをした経営者様の場合に、個人事業の銀行口座から法人の銀行口座へ売り上げの入金を変更する際に、変更手続きが完了していないときには法人の売り上げが個人事業時代の銀行口座へ入金されてしまうことがございます。

  この個人事業時代の銀行口座へ入金されたお金を生活費などで使用した場合には法人口座へ入金することができなくなります。

  こういった事象があると、会計上は会社から経営者様個人へお金を貸したという状況になってしまいます。

  これ以外にも、経営者様の生活費が不足し、法人の銀行口座からお金を引き出し生活費にあてている場合です。

 

  融資側では貸付金がある場合に、下記の視点で確認をします。

  ・銀行から受けた融資を別の会社、経営者個人、経営者家族などへ渡していないか?資金使途違反をしていないか。

  ・そもそもなぜ、貸付金が発生しているのか。

  ・その貸付金は回収されるのか?その回収はいつになるのか?

 

  これらの説明がしっかりできないと融資を受ける可能性は低くなります。

  また、資金使途違反に該当する場合には今後、融資を受けたくても受けることができなくなってしまいます。

 

  会社へ回収見込みがないと判断されると財産性がないものとして見られてしまうので、しっかりと対策を練って取り組んでいただければと思います。

 

  自社で経理をしている会社でよくあるのが、勘定科目を貸付金でなく、「立替金」や「仮払金」などにしていることがございます。こういった方法は結局その内容と理由を確認されるのであまり意味がございません。

融資側への心証が悪くなるだけですので、変に勘定科目を操作することはお勧めできませんし、するべきでないと考えています。

 

 

 ・未収入金、前払費用

  未収入金は売上以外に入金がされていないものがある場合に使用される勘定科目です。

  前払費用は必要な経費を先に支払っている場合に使用される勘定科目です。

  例えば翌月の家賃を先に支払っている場合には前払費用が発生します。

  これらの性格の勘定科目の残高が多い場合には、融資側にて財産性がないと思われてしまう恐れがあります。

  長期間ずっと未収入金があり現金化されていないもの、前払費用がずっと費用化されていない場合には注意が必要です。

  棚卸資産、売掛金、貸付金に比べると重要性は低い勘定科目ではありますが、しっかり説明ができるように理解をしておくことが重要です。

 

今回のご説明は以上となります。

今後はしばらく勘定科目の説明と対策を説明していくことになります。

一つ一つ理解いただけると融資での申し込みだけでなく、ビジネスとして成功するために会社の数字を理解する上で役に立ちます。

創業融資では資金が足りないこともあり目先だけのものに興味が出てしまいますが、長く会社を経営していくためには数字を理解し、決算書を読むことができるようになることは大変重要です。

弊所へ新規にお問い合わせいただく経営者様でよくあるケースとして税理士の言いなりになっていることが多いです。経営者様がご自身の会社の数字を理解されておらず、我々も驚くこともあります。

弊所では、経営者様が少しでも数字に興味を持ってもらえるように日々業務にあたらせていただいております。

今後も、融資を受けるために少しでも皆さまのお役に立てる情報を提供して参りますので、ご参考いただければ幸いです。 

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