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2020.4.14

銀行融資の基本 その2

前回、銀行融資で重要視されるものの一つとして「資金使途」があり、資金使途は大きく分けると「設備資金」と「運転資金」の2種類があると記述しました。
 
今回は、資金使途を大きく分けたもう一つ「運転資金」について記述します。
 
運転資金とは・・・
運転資金とは平たく言うと「日々の経営に必要な資金」のことです。商品の仕入れ代金、従業員の給与、材料の購入費用、外注費用などが運転資金にあたります。
融資の申し込み時に、「運転資金」とだけ伝えても融資の審査は通りません。
運転資金にはいくつか種類があります。
 
・経常運転資金
企業の正常な営業活動を行っていくうえで恒常的に必要と認められる運転資金を経常(正常)運転資金といいます。
仕入、販売、買掛金支払い、売上代金回収というサイクルの中で、必要となるお金のことです。物を仕入たからといってすぐに売れるとは限らず、販売までは時間がかかったり、さらに代金回収となると、現金商売以外は、売掛という形で資金回収が遅れます。
その間、仕入れ代金の支払いもあります。そうなれば必然と、手持ち資金が不足することになります。この不足する資金を、経常運転資金と呼びます。
「ビジネスを回していくうえでどのくらいの資金が必要なのか」という運転資金は貸借対照表の「売掛金+在庫-買掛債務」で計算することができます。
 
・季節資金
いわゆる季節性のある商品を取り扱っている企業の場合、毎年特定の時期に運転資金の需要が発生することがあり、これを季節資金といいます。
たとえば、脱毛などは肌の露出が多くなる春から夏にかけて繁忙期を迎え、肌の露出が少なくなる秋から冬にかけては売上が落ち込む傾向になります。
この間の売上の上がらない時期の赤字を補てんするための資金です。
借入は資金が不足する時期に、返済は売上で資金が多くなる時期になるよう計画します。
 
・納税資金
課税所得に対する税金の支払に使われる資金です。消費税や源泉税は、すでに入金がされているので資金使途としては妥当ではありません。

・賞与資金
従業員に支払う賞与を借りるための資金です。
賞与でまとまったお金を支払えば、それだけキャッシュアウトが生じ、資金繰りが圧迫されます。
その資金不足を補うために借りるお金です。
 
・つなぎ資金
一時的な仕入増加などに対応するための資金で、あくまで資金が足りなくなったときに利用するものです。
今後確実な入金があることが前提で借りる資金です。
 
漠然と単に「融資が必要となった」と言うだけでは、もちろん運転資金の融資を受けることはできません。運転資金については説明する際に何点かのポイントを押さえておく必要があります。同じことを伝えるにも、説明の仕方一つで融資限度額が低くなり返済期間も短期間とされるケースがあります。
 
運転資金の説明の仕方
1 前向きな説明を
 たとえ難しいチャレンジだったとしても、まずは前向きな資金使途を検討してみてください。前向きで将来の収益につながる説明が、銀行側としては融資しやすいのです。
2 必ず資金繰り表を添える
 たとえ運転資金で前向きな説明を組み立てても、数字に落とし込めていなければ信憑性が薄まります。
そのため、返済計画をしっかり立てておかなければなりません。
 
資金使途が意外に大事なことにお気づきになられたのではないでしょうか
資金使途をしっかり伝えて、融資を受けられるようにしましょう。
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