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2018.11.22

借入金額はどのようにして決めたらいい?

 お客様の中には、「借金はできるだけしたくない。自己資金でやっていきたい。」と仰られる方も多数いらっしゃいます。借金をされる方は借金が増えたことばかりに視点がいき、融資により手許資金が増えたということの価値の大きさに気づいておられない場合があるようです。手元に余剰資金があることは、精神的にも非常に重要な事だと思います。
 
 日本政策金融公庫の調査資料によると、開業時に注意しておけばよかったこと、第1位は「自己資金が不足していた事」です。要するに事業が軌道に乗るまでの運転資金が不足していたため、資金繰りに困ってしまったということです。ようやく軌道に乗り始めたけど、運転資金が不足してしまった場合は、事業を継続することができません。借入をする際のデメリットは金利負担だけです。資金繰りに奔走していると精神的にも疲弊してしまい、本業にも影響しかねません。
 
 ですので、自己資金が十分にある方、ない方に関わらず、借りる金額は借りられるだけですと言いたいところですが、突出したキャリア等がない限り、借りられる金額は限られてきます。一般的な場合では、自己資金の3倍又は、事業にかかる予算合計が1,000万円の枠内に収まる金額となることが多いです。
   
 自己資金が500万円の場合、自己資金基準であれば1,000万円が借入可能と考えられますが、事業総予算の額1,000万円の枠があるため、借入可能額は500万円となります。店舗を探す場合には、事業に係る予算合計額も考慮した上で検討する必要があります。
 
 事業に係る予算の額を超えての借入を考えられる方は、協調融資という方法もあります。
 
 ※運転資金とは、売上に連動する日々の材料仕入及び家賃・人件費等の固定費のことを言います。開業時に用意しておくべき運転資金は6か月分ある事が理想的だと言われています。飲食業等の場合は現金商売のため、そんなに必要ないのではと仰られる方もいらっしゃいますが、日本政策金融公庫の調査資料によると、約6割の方が開業後軌道に乗るまで6か月の期間を要しているようです。
 
 ※協調融資とは、複数の金融機関から借り入れることをいい、創業融資の際の組み合わせとしては、日本政策金融公庫と信用金庫・信用組合のプロパー融資(又は保証協会保証付き融資)が現実的です。

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